【極私的漫画史】漫画的表現の源流を独自に探る試み - その4

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12139139323.html
2016年3月18日

《転載開始》

昨年暮れに、
『漫画的表現の源流を独自に探る試み』
という記事シリーズを3つ書かせていただきました。

【極私的漫画史】漫画的表現の源流を独自に探る試み - その1
2015年11月15日
【極私的漫画史】漫画的表現の源流を独自に探る試み - その2
2015年11月29日
【極私的漫画史】漫画的表現の源流を独自に探る試み - その3
2015年12月17日

どういった事を書いたのかというと、
如何にも現代漫画風にデフォルメされた絵柄が、
数百年も前、千年以上も前に描かれていた事例が
幾つもあるのを知ってしまったからです。

これを私は、

『漫画のオーパーツ』

と呼んでいます。

「オーパーツ」というのは、

それらが発見された場所や時代とは
まったくそぐわないと考えられる物品を指す。

英語の「out-of-place artifacts」を略して「OOPARTS」とした語で、
つまり「場違いな工芸品」という意味である。


オーパーツ - Wikipedia

分かりやすく言うと、恐竜時代の地層に歯車が発見されたとか、
2000年前の機械が発見されたとか、そういった感じのものです。





その手の話で、新しいネタを仕入れてしまったため、
第4回目を書こうと思い立ったのです。

それでは行きます!!

・・・っと、その前に、何故だか恒例となってしまった(?)、
日本の数百年も前のファンシーキャラ(?)紹介と行きます。

画像
『猿猴図』(部分)
狩野山雪(1590-1651)

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たまたまTwitterを閲覧していた時、
とんでもないものをサラリと紹介している方がおられました。

画像
Twitter

それは何かと言うと、千年以上も昔の、

『コプト織』
(Coptic weaving, Coptic Fabrics, Coptic Textiles)


と呼ばれるものです。

で、何が「とんでもない」と思ったのかというと、

一部のコプト織のデザインが、
如何にも藤子不二雄風の絵柄だったのです!!

「手塚治虫テイストだ」と紹介していますが、私の目には、
藤子不二雄風に見えます。

で、Twitter上で更に、
この手の画像を紹介している呟きを探してみました。

画像
Twitter

「ドラえもんみたい」と呟いておりますが、
要するに「藤子不二雄みたい」ということ。

2013年の暮れに呟かれたものですが、
私が「いいね」や「リツイート」をした時点では、
余り憶えていないのですが、
確か誰も「いいね」や「リツイート」をしていなかったか、
付いていてもほんの数個だったと思います。

それが、私のリツイートが切っ掛けで、
「いいね」や「リツイート」が100個以上も付く事態となりました。

まあ、フォロワーが数千人もいる、
パワーユーザーがリツイートしてくれたお蔭ですけど(笑)。

ネット上には、
他にも幾つかこの手の画像を見つける事ができますが、
Togetterで幾つも紹介されており、中々壮観な眺めです。
手塚治虫に藤子不二雄!? - Togetterまとめ

コプト織についての解説を見つけました。

紀元3世紀から13世紀にかけて、
エジプトのキリスト教者、コプト教徒は、
地中海文化の影響を受けた綴織(つづれおり)による
古拙な織文様で衣服を飾りました。

19世紀には伝存するコプト裂が
ヨーロッパのコレクターの間で人気を博し
「コプティック」という言葉が綴織の代名詞ともなりました。


エジプトのコプト信仰が綴った織文様 - 東京国立博物館





つづきましては、弊記事シリーズの第3回目の時に紹介した、
「コマ割り漫画の先駆者」と見なされている、スイスの、
ロドルフ・テプフェール(1799-1846)
Rodolphe Töpffer

に関する、新たな記事を見つけたのですが、
そこで紹介されている漫画というのが、何ともシュールです。

画像
Der Schweizer Comicpionier - News Kultur: Bücher - bernerzeitung.chBücher

「箱のゆるキャラ」みたいなものが、空中を飛んでいるというもので、
これは、シュルレアリスムの先駆とも言えるのだろうか?
と、ふと思いました。

私が「藤子不二雄風コプト織」
を知ったその直後にこの記事が上げられており、
何だかタイムリーというか・・・。

安部公房の小説『箱男』を思い出しましたが、
残念ながら私はその小説を読んでおりません。

テプフェールの漫画は、最近日本でも出版されているのですが、
実は未だ読んでいません。

その中に収録されているのかどうか、未だ確認していません。
確認次第、追って追記したいと思います。




弊記事第2回目で、ノルウェーの、
テドール・セヴェリン・キッテルセン(1857-1914年)
Theodor Severin Kittelsen

の、如何にも現代漫画を彷彿とさせる雰囲気を見せている、
『動物は魂を持っているか?』(1893年)
Har dyrene sjæl? (Har dyrene sjel?)

という作品を紹介させていただきましたが、
前回紹介していない場面で、凄い気になっていたものを紹介します。
(※「1894年」という情報もあります)

画像
Brilliantly - Theodor Severin Kittelsen - WikiPaintings.org

頭がボサボサ頭のカエルが、
如何にも、「スーパーマリオ」(Super Mario)シリーズに、
悪役の中ボスとして出てきうそうな雰囲気を感じます。

「クッパファミリー」の中に紛れていても違和感無い感じ?

まあ、風刺漫画の歴史を見てみると、
それ以前から、実在の人物を
こんな感じに変形させたりはしてはいるのですけど。

それからコチラも気に入っています。

画像
Mor Mor Det Gjoer Saa Vondt Aa Loepe - Theodor Severin Kittelsen - WikiPaintings.org

素直に可愛いです。
額に入った肖像は、セサミストリートに出てきそう?

昆虫の擬人化もありますが、
それも見るからに現代漫画風の絵柄でグロくないです。





こちらも、第2回目で紹介済みの作家ですが、19世紀末に、
10代の年齢で20世紀以降の現代漫画の絵柄を既に確立していた、
「アメリカ初の漫画家」と見做されている、
ジミー・スウィナートン(1875-1974年)
Jimmy Swinnerton

について再び取り上げます。

スウィナートンに関する新たな情報を入手したためです。

正式名称は、
ジェイムズ・ギルフォード・スウィナートン
(James Guilford Swinnerton)
です。

実は、漫画編集者として名高い、竹熊健太郎氏が、
2008年に既にこの漫画家をブログで紹介していました。
マンガとアニメーションの間に(1-1): たけくまメモ

竹熊氏は、Wikipediaで
『The Little Bears』(1892年)
と紹介されている漫画を、
『小熊と腕白小僧』
と紹介していました。

画像
The Little Bears - Wikipedia English

ところがこの漫画は、他にも名称があるようです。

上に掲げた画像の右下に書かれた文が気になっていました。

「LITTLE CALIF. BEAR」と出ておりますが、
『カリフォルニアの小熊たち』(Little California Bears)
が正式名称でしょうか?

コチラの頁によると↓
Comic Art & Graffix Gallery Artist Biographies - James Swinnerton
「カリフォルニアの熊たち」(California Bears)が、
後に「小熊たち」(The Little Bears)に変わったとか。

この小熊のシリーズ、
他にはどんな画像がネット上に出ているのかというと、
2012年に「ついっぷる」に上げられているコマ漫画や、

画像
http://p.twipple.jp/MSxBF

画像
http://p.twipple.jp/M5aCE

1897年か1898年頃の、
小熊がインディアンと一緒に手を繋いでいるイラストが表紙の、
カレンダーが出ております。

画像
Prices and estimates of works James Guilford Swinnerton - Arcadja





最後に、先述の竹熊氏がスウィナートンを紹介している記事では、
フランスのジョルジュ・コロンブが1889年に描いた『フヌイヤール一家』が、
コミック・ストリップの直接的な原形であると紹介されていたので、
この漫画と作者を軽く紹介してから本稿を終えます。

画像
クリストフ(1856-1945)
本名:マリー=ルイ=ジョルジュ・コロン
Christophe
Marie-Louis-Georges Colomb

Christophe (auteur) - Wikipedia Français

「クリストフ」というペンネームを用いたそうです。

1889年に創刊された、児童雑誌『小さなフランスの絵入り雑誌』
(ル・プチ・フランセ・イリュストレ, Le Petit Français illustré)
に、後述する『フヌイヤール一家』(La Famille Fenouillard)を連載。
La Famille Fenouillard - Wikipedia Français

創刊された年に早くも連載開始ですね。

1893年まで連載されたそうです。

フランスと言えば「バンド・デシネ」(Bande dessinée)ですけど、
『フヌイヤール一家』が、
恐らくはフランスのバンド・デシネの祖ではないかと見られている様です。

その他、植物学者、科学普及者でもあったそうです。

科学の発展を夢見ていたのでしょうか?

画像

『フヌイヤール一家』(La Famille Fenouillard)
La Famille Fenouillard - BDthèque





・・・っと、書き忘れていた事がありました。

漫画とは無関係な話なのですが、
「コプト靴下」(Coptic Socks)というのが、
「足袋」の形をしているんですね。


画像
Nålebinding - Wikipedia English
a jolly good gig | knitspot

画像の靴下は、
紀元後300~500年頃(4~6世紀)のものだそうです。

しかも、日本の足袋とは起源的に無関係の様です。

日本で親指が分かれた形状のものが登場したのは、
「室町時代になってから」と言われていると、
コチラのサイトには出ております↓
足袋の歴史【wargo】

これも、「藤子不二雄風コプト織」を知った直後に知りましたけど、
やはり驚きましたね。





それでは、長々と失礼いたしました!!

《転載終了》