【極私的漫画史】漫画的表現の源流を独自に探る試み - その1

http://ameblo.jp/ssatoloux-1987/entry-12095785587.html
2015年11月15日

《転載開始》

「漫画の歴史」について、色々と思う事を書かせて戴きます。

私は、色んな作品を、色んな場所で拝見するのですが、
時として「これは」と思うものに出会います。

しかし、それについて、
他の人はどう思っているのか調べてみても、
意外と誰も述べていなかったりします。

「かなり重要なのかも知れないのに・・・」
と、直感で思ったりするのですが、いかんせん私は、
美術史や漫画史について、専門的に学んだ事がありません。

つまみ食い的な知識しかありませんし、
本当に重要なものなのかどうかも分かりません。

でも、取り敢えず「こういうのがあるのですけど・・・」
みたいに紹介する位は良いのではないかと思いました。

思い違いなのであれば、思い違いとして、
認識を改めれば良いだけですから。

まあ、専門家ではない者の強みではあります。
(そうやって無名のクラシック音楽の作曲家を紹介してきた訳ですし)

なので、色々と見知った
「時代の先を行っているのかも知れない漫画的表現」
について、紹介したいと思います。





因みに、「日本の先駆的漫画的表現」については、
色々と知られている事と思いますので、除外します。

例えば、ゆるキャラ風の絵を描いた仙厓義梵(1750-1837年)や、
18世紀のリラックマ?伊藤若冲の『猿猴捕月図』、
鳥獣戯画、北斎漫画、鳥羽絵、などです。

只、小林永濯(1843-1890)による
『菅原道真天拝山祈祷図』1860-1890年頃
だけは、幾分知名度が低そうなので、ここに貼らせて戴きました。

画像
(画像はこちらから)ダブル・インパクト 明治ニッポンの美|展覧会の構成:第4章

「劇画的表現」であると一部で評判です。





ヴィルヘルム・ブッシュ
Wilhelm Busch
1832-1907年

ドイツの風刺画家、画家、詩人。

1865年に出版された絵本
『マックスとモーリッツ』(Max und Moritz)
は、19世紀半ばにして既に、
現代漫画風のデフォルメされた絵柄をものにしており、
登場人物の体の動きも躍動感が感じられるため、
漫画史に於いて重要な作品と見做されています。

また、ルドルフ・ダークス(Rudolph Dirks)により
1897年に登場した、最初期のコミック・ストリップ
『カッツェンジャマー・キッズ』(The Katzenjammer Kids)
にも直接影響を与えているのだそうです。

日本への進出は、
1887年に『WAMPAKU MONOGATARI』の題で、
渋谷新次郎や小柳津要人によりローマ字訳されたものが
出版されたとのことです。
マックスとモーリッツ - Wikipedia

その作品の一場面ですが、こちらをご覧ください↓

画像
(画像はコチラから)YouTube

目玉が渦を巻いています。
「渦巻き目玉」表現の元祖でしょうか?

それから同じく「マックスとモーリッツ」より↓

画像
(画像はコチラから)Vier von 7.195 Texten :: eigenmensch.as

爆発の場面ですが、
現代漫画ではお馴染みの「集中線」が使われています。
当時、こういう表現は他にありましたかね?

まあ少なくとも日本では、葛飾北斎が既に、
『椿説弓張月』1807-1811年
の挿絵の中で集中線を描いており、
Best of 北斎挿し絵 - がじゅまるの樹の下で。
歌川国芳も、1847年頃に、
『甲越勇将伝 武田家廿四将 三討死之内 諸角豊後守昌清』
の中で集中線を使っているのですが。
【これが150年前!?】幕末の浮世絵がクール過ぎて圧倒される【まさに神】 - 幕末ガイド

ヨーロッパでは、アルブレヒト・デューラーの
『メランコリア』(Melencolia)1514年
に集中線がありますけど、光を表わす表現の様です。

因みに、私は以前、
「ほるぷクラシック絵本」シリーズ(訳:ささき たづこ)の
『マックスとモーリッツ』を所有していたのですが、
引っ越す時に手放してしまいました。

後でその事を凄く悔やんだというのは、言うまでもありません。



それから、同年(1865年)に制作された
『名人芸』(Virtuos)
という、ピアノの超絶的演奏を作品がありますが、
こちらをご覧ください↓

画像
(画像はコチラから)Pinterest

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(画像はコチラから)Wilhelm Busch - konkykru.com

「目玉飛び出」表現の元祖でしょうか?

音符が飛びまわる事で、音の視覚化表現も行っています。

また、「千手観音の様に複数の手を描いています」が、
これは、フランツ・リストの名人芸的ピアノ演奏の諷刺画として
よく用いられる表現ですけど、
後の漫画の表現やアニメーションを予告するものです。

同じく『名人芸』より↓

画像
(画像はコチラから)Wilhelm Busch - konkykru.com

こちらでは、両足が螺旋を描いてお互い絡み合っています。
こんな表現を、1865年に行っていたわけですね。

因みに、今年は『マックスとモーリッツ』生誕150周年なのですが、
地元ドイツでは、何か記念イベントでも行われているのでしょうか?

150周年を記念したイベントのサイトの様です↓
150 Jahre Max Moritz aus Schaumburg

ショプフハイム市立博物館(Städtische Museum Schopfheim)
での記念展覧会のポスターでしょうか?↓

画像
(画像はコチラから)Stadt Schopfheim | Startseite

色々と行われている様ですね。

で、150周年行事について、
日本語で紹介している記事があるのかどうか調べてみました。
ヴィルヘルム・ブッシュ・ミュージアムで「『マックスとモーリッツ』からのドイツ・マンガ150年展」開催

出版は1865年ですが、
草稿が描かれたのが1864年頃だそうなので、
記念行事は2014年から行われている様ですね。



実は、ヴィルヘルム・ブッシュ紹介記事は、
過去にも幾つか書いております。
ヴィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch)現代漫画の元祖の一人
2009年5月15日
ヴィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch)ディズニーを先取りした男
2008年12月8日
ヴィルヘルム・ブッシュ(Wilhelm Busch)ドイツの手塚治虫
2008年11月4日

「ディズニーを先取りした男」とか「ドイツの手塚治虫」という表現、
今見るととても恥ずかしい不適切な表現かも知れません。

まあ、青臭かった事に免じてお許しを・・・。
(今でも心がとっても青臭いですけど)





というわけで、取り敢えずはここまでにしておきます。

いっぺんに全部出そうかと思いましたが、
そうすると記事が長くなり過ぎてしまう事が分かったため、
何回かに分けて出す事にしました。

次回をお楽しみに!!

《転載終了》